男性が育児休業を取らなかった理由

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統計から見る男性の育児休業 育児休業を取らなかった理由 男性と女性の考え方の違い 1年間の育児休業を終えて

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今回は、パパに対して行った「なぜ育児休業を取らなかったのか?」というアンケート結果をもとに、男性が育児休業を取らない理由について考えてみたいと思います。

育児休業を取らなかった理由

※この質問は男性に対して行っています。

順位 割合 内容
1位 55.6% そもそも取る気が無かった
2位 18.5% 取り辛い雰囲気があった
3位 14.8% 育児休業制度が未整備だった
4位 11.1% 金銭的な問題があった

1位:そもそも取る気がなかった

男性が「育児休業を取らなかった理由」にあげた第1位は「そもそも取る気がなかった」という、筆者的にはやや拍子抜けする回答結果でした。

とは言え、日本の産業界の中心は男性であり、職場が男社会だという人にとっては、出世や体裁などを考えれば「育児休業なんてとっている場合じゃない!」と思う人が多くいても不思議ではありません。

しかしながら、ヨーロッパ(例えばドイツやポルトガル)では近年、大規模な育児休業制度の改革が行われ、これにより男性の育児休業の取得率が大幅に上昇をしたという例もあります。

日本の場合も、育児休業の制度がもう少し取りやすいものに変更されたり、経営者の世代交代が進めば、もう少し男性の考え方も変わっていくのではないかと思います。

2位:取り辛い雰囲気があった

続いて男性が取らなかった理由の第2位にあげたのは「職場に取り辛い雰囲気があった」というものでした。これは国が育児休業の実態を調査した報告書にも、その内容が指摘されていました。

実際問題として、確かにこれはあると思います。筆者も第二子が産まれた時に育児休業を取ったわけですが、私の勤務先では過去に男性社員が育児休業を取得したという例が無かったため、確実に言い出し辛い雰囲気がありました。

実際に上司に「育児休業を取得したい」と伝えたときも、びっくりしたような、また、少し否定的な感情が上司にはあったようにも思います。社内でも「えっ?まじで?」といったリアクションを受けることが何回かありました。

ただ、他の人にとっては前例が無いことなのですから、そういったリアクションがあることはある種、しょうがないことのようにも思います。

3位:育児休業制度が未整備だった

第3位は「育児休業制度が未整備だった」というものでした。

育児休業制度の整備は本来は企業の義務ですから、企業側が整備していないと法令違反になるわけですが、中小零細企業では実際のところそれはとても難しいようです。(下記の記事でこれらについてまとめています。)

したがって、会社で育児休業制度が未整備の場合には、現実には多くの人が「諦める」という選択肢を選ぶのだと思います。

そうは言っても「取りたい!」と考える人もいると思いますので、もし勇気と気力があれば企業に対して育児休業制度の整備をお願いするのもありかもしれません。

なぜなら、男性の育児休業は労使ともにWin-Winの関係になれる可能性があるからです。以下に理由を説明します。

① 給与と社会保険料等の支払いの免除

給与と社会保険料等の支払いの免除

会社は、社員が育児休業を取得した場合、育児休業期間中、会社はその社員の給与を支払う必要がなく、また、社会保険料の支払い義務も免除されます。(通常、社会保険料は会社と労働者が1/2ずつ折半して支払います。

したがって、会社にとっては育児休業期間中のその社員に対する金銭的負担がゼロになるわけです。

意外とこの点を理解していない(知らない)経営者が多いのも事実ですので、この情報を教えてあげると少しは前向きになるかもしれません。

② 助成金の支給

男性の育児休業取得による助成金の支給

これも会社が前向きになる要因の1つで、知らない経営者も多くいます。(そもそも助成金や補助金について疎い経営者は意外と多いです。)

ではどんな助成金なのか?と言うと、次のような助成金があります。

  • 育児休業取得者が育児休業に入った時30万円前後
  • 育児休業取得者の代替要員を雇用した時50万円前後
  • 育児休業取得者が育児休業から復帰した時30万円前後
  • 男性社員が育児休業を取得した時14万円~72万円

各種の要件がありますが、結構大きな助成金で、中小企業にはボーナス特典もありますので、この点を説明してあげると前向きになってくれるかもしれません。

詳しい助成金の内容は下記のリンク先にて確認ください。
事業主への給付金のご案内|厚生労働省HP

③ 会社イメージの向上

会社のイメージ向上

このメリットは会社によっては最も喜ぶメリットになるかもしれません。

と言うのも、今の若い人は就職活動の際に、給与と同じように「福利厚生」をよく見ています。「男性社員による育児休業の取得実績あり!」といったアピールは、企業のイメージアップに大きく貢献します。

実際に、私の会社でも私の育児休業の実績を入社説明会などの募集要項などに記載をして、イメージアップを図っています。

4位:金銭的な問題があった

第4位は「金銭的な問題」でした。そもそも取る気が無かったと回答をした人の中にも「世帯所得が減るため、そもそも取ることは考えていなかった」とコメントがありました。

国が育児休業の実態を調査した報告書の中にも「金銭面が男性の育児休業の取得の足かせになっている」と指摘をしています。(とは言え、雇用保険という少ない財源が元手なのでしょうがないようにも思います。)

この点については、次の記事で私の実体験をもとに詳しく説明をしていますので参考になりましたら幸いです。

終わりに

最後に「男性のリアルな声」をお伝えして終わりたいと思います。

次のグラフは、男性に対して「現実に取れるか取れないかは別として、育児休業を取りたいと思いますか?」というものを質問したものになります。

どうでしょうか?私には男性のリアルな声が聞こえてきます。

その声というのは、男性も本当は育児休業を取りたいと思っている、というものです。(その中には単純に休みたいという人もいるかもしれませんが。)

金銭面の補助、会社内での言い出しやすい環境、制度の整備など、色々な課題をクリアしないと男性の育児休業が進まないのも事実ですが、取りたいと思う人が取れるように変わって行ったら良いなと思います。

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