赤ちゃんへの坐薬(ざやく)の使い方
2018年3月2日

鼻づまりのケア | 発熱時のケア | インフルエンザ | 飲み薬の飲ませ方 | 座薬の使い方 |
はじめに
まずお薬のあげ方の説明に入る前に、お薬の種類について簡単にお話をさせて頂きます🐷
ご存じだと思いますが、お薬は大きく①内服薬(飲み薬)と②外用薬(塗り薬)の二種類に分けられます。内服薬は飲むことで、外用薬は直接皮膚に塗ることで薬効を示します。
ちなみに「坐薬」は外用薬に当たり、肛門に挿入して用いる薬です。胃を通らず直接直腸から吸収させるため、効き目がとても早いのが特徴です。
内服薬 | 粉薬(粉末、顆粒、ドライシロップ)、シロップ剤 |
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外用薬 | 坐薬、塗り薬、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、浣腸 |
間違うことはないと思いますが、お手もとにあるお薬がどちらに分類されているのかを必ず確認してからお使いください😊
目次
使用方法
早速「坐薬の使い方」について、下のイラストでご紹介します。

How to use?
- お子さんのお尻周りと、保護者の方の使う手を清潔にします。
- お子さんの体重に応じて、坐薬をカットするよう指示があった場合は、坐薬のパッケージの上から、必要量をカットして下さい。
- 準備ができたら、お子さんをオムツ替えの体勢、または、横向きにします。
- ティッシュで坐薬を持ち、親指でぐっと肛門に押し込むように最後まで入れます。そして、ティッシュで3秒くらいオケツの穴を押さえます。
必要であれば、坐薬の滑りを良くするために、坐薬にベビーオイルやサラダ油、ハンドクリームなどを薄くつけます。
下痢の時は座薬が出てきやすいので、少し長めに(30秒程度)オケツの穴を押さえてあげましょう。
保管方法
- 「カットした残りの坐薬」や「未使用の坐薬」は冷蔵庫に保管できます。
- 「カットした残りの坐薬」は2~3日、「未使用の坐薬」は半年を目処に使い切ってください。
いつ坐薬をもらったのか忘れないようにするため、日付が書かれた袋のまま冷蔵庫に保管する、または、坐薬のパッケージに処方された日付けのメモをしておくなどの工夫をしておくと、安心かもしれませんね😊
坐薬Q&A
Q坐薬にはどんな種類があるの?
A急な発熱の際に使う、「解熱剤」のイメージが強いかと思いますが、鎮静作用(落ち着かせる作用)や抗けいれん作用など色々な作用もつものがあります。他に、肛門部の病気にも坐薬を使います。
Q発熱した時にもらう解熱剤の坐薬(アンヒバ坐薬など)の特徴と使い方で注意することは?
A熱が38.5度以上出て、かつ、お子さんの機嫌が悪く、水分を十分に取れなかったり、ご飯を食べてくれないなどの時に、使ってください。機嫌が良い時は、無理に熱を下げる必要はありません。
坐薬を使うと、平均して1度くらい熱を下げることができます。代表的なアンヒバ坐薬であれば、30分程度で0.5度くらい熱が下がってきます。
坐薬を使っても熱が下がらず、お子さんがぐったりしたまま、というような場合は、少なくとも6時間間隔を空けて、2回目を使ってください。
Q熱性けいれんを起こした時にもらう抗けいれん薬(ダイアップ坐薬など)の特徴と使い方で注意することは?
A熱性けいれんを一度起こすと、再発してしまう場合があります。再発に備えて、医師が必要と判断した場合は、抗けいれん薬(けいれん予防薬・ダイアップ坐薬など)が出されることがあります。
抗けいれん薬は、37.5度の発熱を目安に1回使ってください。それでも発熱が続いていれば、8時間後に2回目を投与してください。それ以降の投与についてどうすべきかは、お子さんの状態や過去のけいれんの種類にもよるので、あらかじめ主治医か薬剤師に聞いておくと安心です。
挿入後、30分は肛門から漏れていないか確認し、明らかに漏れている場合は、新たに挿入してください。
Q解熱剤(アンヒバ坐薬など)と抗けいれん薬(ダイアップ坐薬など)の2種類の坐薬を併用する時、注意することは?
A2種類を併用する場合には、抗けいれん薬を先に入れて、30分以上あけてから解熱剤を使ってください。けいれんを起こしやすいお子さんは、まずけいれんを予防するということが大切です。
先に油分の多い解熱薬の坐薬を入れてしまうと、抗けいれん薬の吸収が悪くなってしまう可能性があり、注意が必要です。
Q坐薬を入れた直後(10分以内)にうんちと一緒に出てしまったらどうしたら良いか。
Aうんちに坐薬の原型が残っているか確かめてください。残っていない場合は、再度挿入する必要はありません。
アンヒバ坐薬(解熱剤)は、溶けるのが早いという特徴がありますので、原型が残っている場合も、一部既に吸収されている可能性が高いです。1時間様子を見て、熱が下がらないなど目に見えた効果が現れない場合は、再度挿入してください。
ダイアップ坐薬(抗けいれん薬)の原型がうんちに残っている場合は、吸収されていないと考えて、再度挿入してください。
- 急な高熱が出た時のために、”お守り代わり”として解熱剤の坐薬(アンヒバ坐薬・アルピニー・ユニプロンなど)を冷蔵庫に常備しておくことがおすすめです。
- 熱性けいれんを二度起こしたお子さんは、次も起こしやすいと言われます。主治医に確認して、必要に応じ余分にもらって、冷蔵庫に保管しておくと安心かもしれません。
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