子どものインフルエンザ情報
2018年3月2日

鼻づまりのケア | 発熱時のケア | インフルエンザ | 飲み薬の飲ませ方 | 座薬の使い方 |
今回は子どもがかかる代表的な病気の一つ「インフルエンザ」についてです。日本小児科学会HPではインフルエンザの最新情報を取り扱っていますので、興味のある方は次のリンク先から確認ください😊
目次
インフルエンザの特徴

1.流行時期
11月頃から春先にかけて流行します。
ピークは1月末~3月の上旬です。
2.感染経路
主 | 咳やくしゃみなどのしぶきから😷 |
---|---|
その他 | ウイルスが付着した手から🤲 |
感染経路を見ると「マスク着用」と「手洗いうがい」、「手のアルコール消毒」がいかに大切かがよくわかりますよね。
他にもドアノブや電気のスイッチなど、感染者が触る部分をこまめに消毒することも有効です。我が家では「パストリーゼ」という高濃度アルコール消毒液を使って除菌をしています。
3.種類・型
インフルエンザの型にはA型とB型があります。どちらが流行るかは年によって異なります。
年によってはA型とB型の両方が流行することもあります。(例えば2017-2018シーズンは両方の型が流行りました。)
4.症状
典型 | 急な高熱(38度以上) |
---|---|
その他 | 頭痛・筋肉痛・関節痛・全身倦怠感・強いのどの痛み・鼻汁・咳 |
小さな子どもは自分の症状を伝えることができないので、様子を注意深く観察しましょう。特に1月~3月に次のような症状があるときはインフルエンザを疑いましょう。
- ぐったりしている
- 機嫌が悪くなった
- 食欲がなくなっている
まれに肺炎や急性脳症などの合併症を起こす危険もあるため呼びかけに反応しないなどの症状が見られたら、夜間であっても救急病院へ連れて行くなど適切な対応をしましょう。
5.経過・予後
- 潜伏期間:1日〜4日(平均2日)
- 発熱期間:3日程度(※)
※一度熱が下がっても、再びぶり返すこともあります。
6.保育園などの出席停止期間
例 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
① | 発熱 |
発熱 |
解熱 |
解熱 |
解熱 |
登園可 ◎ |
登園可 ◎ |
② | 発熱 |
発熱 |
発熱 |
解熱 |
解熱 |
登園可 ◎ |
登園可 ◎ |
③ | 発熱 |
発熱 |
発熱 |
発熱 |
解熱 |
解熱 |
登園可 ◎ |
インフルエンザと薬

インフルエンザの薬としては「タミフル」が有名ですが、他にもいくつかあります。
薬の種類によって服薬回数や服薬方法が異なります。もし処方してもらいたい薬があれば、お医者さんに相談するのも良いでしょう。
なお、薬は発症後48時間以内に服用すれば、症状を軽くし、発病期間を短くすることができます。
薬 | 服薬方法 | 服薬回数 |
---|---|---|
タミフル | 経口剤 | 1日2回(5日間) |
リレンザ | 吸入剤 | 1日2回(5日間) |
イナビル | 吸入剤 | 1回きり |
ラピアクタ | 点滴による | 1回~数回 |
- 経口剤・・・口から飲むタイプの薬
- 吸入剤・・・気体を吸うタイプの薬
子ども用のタミフル?
一般的に大人は「75mgのカプセル錠」のタミフルが処方されますが、子どもの場合は「その子の体重に応じた量のタミフル」が処方されます。
子ども用は「ドライシロップ」で処方されることが多いと思います。なお、ドライシロップの副作用には嘔吐や下痢などがあります。
新生児にもタミフルはOK?
平成29年より、生後2週間以上、かつ、2,500g以上の新生児から使用することができるようになりました。
ただし、10歳以上の未成年の小児においては、原則として使用を差し控えることとあります。
インフルエンザの予防
1.予防接種

例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられています。
2.乾燥を防ぐ

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。
加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つと効果的です。加湿器がなければ、濡れたタオルなどを干しておくのでも良いですね😀
3.手洗いうがい・マスク着用

基本中の基本かもしれませんが、とても重要です。インフルエンザウイルスには、石鹸とアルコール消毒が有効ですので、こまめに手洗いをすることが必要です。
また、マスクは素材もさることながら、サイズのあった密着性が高いものを選びましょう。平面型より立体型のマスクの方が密着性が高いと考えられます。
マスクはフィット感を大切に!
マスクは複数枚かけるより、隙間ができないようにフィットさせることが大切です。マスクをしていても、隙間があると効果が7割以上も低下するというデータもあるほどです。
インフルエンザQ&A

QインフルエンザのAとBはどう違うの?
A一般的に、インフルエンザはA型の方がB型より症状が重いと言われます。A型の場合はB型よりも高熱になりやすく、全身症状(関節痛や筋肉痛)が強く出ることがあります。まれに肺炎や脳症などの合併症を引き起こすこともあります。
一方、B型は、A型よりも症状が軽い傾向にありますが、まれにお腹の痛みを訴える人がいるようです。
Qインフルエンザがうつる期間は?
A発熱期間中は、感染力がとても強い状態です。発熱が続く場合、発症から3日目が感染力のピークを迎えると言われています。
熱が下がると、排出されるインフルエンザウイルスの量は減少します。ただし、咳やくしゃみなどの症状が続く場合は、感染する可能性があるので引き続き注意が必要です(目安:解熱後2日間)。
また、潜伏期間(感染後、1〜4日(平均2日))の間も、発熱期間よりも感染力が弱いとはいえ、感染する恐れがあります。
Q授乳中にインフルエンザになってしまった。おっぱいからインフルエンザはうつるの?
Aおっぱいからうつることはありません。授乳前は毎回手を十分に洗って、消毒して感染を予防する必要があります。
Q授乳中にインフルエンザになってしまった。タミフルを飲んでも大丈夫?
Aタミフルについては、母親が飲用すると母乳の中にタミフルが少量ですが取り込まれます。ただし、その量はごくわずかなので、赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。
リレンザやイナビルのような吸入薬(吸うタイプの薬)はタミフルに比べて、より体内に吸収される量が少ないと考えられています。そのため授乳中であることをお医者さんへ伝えれば、リレンザやイナビルが処方されることが多いと思います。
いずれにしても、授乳中だからお薬を飲めない・・という心配はありません。
Q生後6ヶ月までの子どもは、母乳から免疫を得ているため、インフルエンザにかからない?
A6ヶ月未満であってもインフルエンザにかかります。特に授乳中であれば、母親と密着している時間が長いので、必然的にかかるリスクが高くなってしまいます。
そもそも完全に隔離することは難しいですし、母乳中に感染防御のための因子がたくさん含まれているのは確かなので、むしろ母乳を与え続けてあげる方が、赤ちゃんが感染しても軽症で済むと言われています。
Q低月齢の子どもがインフルエンザの疑いがある。夜間に発熱してしまったが救急病院に連れて行くべき?
A3ヶ月未満のお子さんで、38度以上の高熱である場合は、夜間でも小児救急に連れて行ってあげると安心です。
ただし、おっぱいをしっかり飲んで、ぐったりした様子がなければ、自宅でしっかり様子を観察してあげて、翌朝一番に病院に連れて行くことでも良いと思います。
おしっこがちゃんと出ているか、咳が激しくなっていないか(合併症に肺炎があるため)も観察のポイントです。
Qタミフルの異常行動がニュースになったことがあったが、子どもに飲ませても大丈夫?
Aタミフルを服用していない場合でも異常行動が現れることもあるため、米国ではタミフルと異常行動との関連性はすでに否定されています。
一方、我が国の薬の説明書には、「10代の患者には、合併症や既往症からハイリスクと判断される場合のみ使用を考慮する」と記載されていますので、医師の判断によっては処方されないこともあります。
適切に使用していれば、そこまで神経質になる必要はありませんが、念のため異常行動があるかどうかを観察しておきましょう。
Q同じシーズンで2回インフルエンザにかかることはあるの?
Aあります。違う型のものであればなおのこと、同じ型でももう一回かかる、といったケースもあるので、流行時期はずっと気をつけないといけないですね・・。
Qインフルエンザの予防接種は何歳から打てる?
A生後6ヶ月から打つことができます。生後6ヶ月以上13歳未満のお子さんであれば、2回接種が推奨されています。
Q妊娠中にインフルエンザの予防接種を打ってもいいの?
A予防接種を打っても胎児に悪影響を及ぼすことはないので、むしろ打っておく方が安心です。
Qインフルエンザの予防接種をしたらインフルエンザにかからないの?
A予防接種をしていてもインフルエンザにかかります。ただ、予防接種をすることでインフルエンザの発病をある程度予防したり、発病後の重症化や死亡を予防することができると考えられています。

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